研究日誌
木と暮らす生活。
森林資源に恵まれたに日本では住宅は木造で長い間建てられてきました。真壁工法と言われる柱や梁の骨格を表した力強い表現が日本の住宅の伝統でもありました。
現代においては都市の過密化からの防火性能の要求、度重なる地震被害への耐震性能の向上、省エネ性能のための断熱性能向上などのため柱などは壁で包まれる傾向にあり、本物の木材と触れる機会が少なくなってきました。さらに仕上げもプリント技術の向上で木材の表面を写し取った建材、建具が多用されています。
当研究所としてはこれらを念頭に入れつつ、自然素材の木材の特性を最大限活かす試みを続けています。プリントされた建材は劣化が進むだけですが本当の木材は年月に応じた深みのある表情を見せます。今古い民家が見直されるのも時間を経たものだけが持つ価値を見出す動きの一つです。
建築に使用される木材は主に杉、桧などの針葉樹、またナラ、タモ、等の広葉樹ですが木取りと言われる裁断方法によっても表情が全く変わります。木材が本来持つ様々な表情、また香りなど心にしみる特性を今後も大切にしていきたいと思います。
代表的な木材のサンプル画像を御覧ください。
1 杉柾目
代表的な建築材料として柱梁など構造材から建具まで幅広く使用されています。
2 杉板目
3 桧板目(吉野産)
日本原産の木材で木目の細い木肌で高級材で神社仏閣等にも使用されます。
4 米ヒバ柾目
虫害に強い樹種と知られ土台な土に使われる他、建具材にも使われます。
5 米ヒバ板目
6 タモ柾目
広葉樹で固く造作材に使われます。
7 タモ板目
8 栗板目
水に強いことが知られ、鉄道の枕木などにも使われました。
土台などの構造材や床材としても耐久性の高い木材です。
9 米松(ピーラー)柾目
北米原産の針葉樹です。大きな樹種で強度を生かして大架構に使われます。
木目が細かい部分は造作材や建具材としても美しい木目を生かして使われます。
10 米松(ピーラー)板目
このように木の特性、表情は材種により様々です。
設計においては適材適所、組み合わせてより豊かな空間創りに努めております。
木材についてご質問をお待ちしております。