集う家
- 竣工時期
- 2013年
- 用途
- 一戸建ての住宅
- 所在地
- 群馬県 玉村町
- 設計
- 横堀将之
農村の旧家の改修です。近代化にあたり40年程前に建て替えられました。各室に固有の役割を持たせ、役割の数だけ部屋をつくり分けてくという当時主流であった設計手法で建てられた家です。しかし多様性を求める現代にそぐわなくなり、今回の改修を計画することとなりました。
旧家ということもありこの家には、年の節目に大勢人が集まります。またご近所の方も多く寄ります。一方で、来客がない時には少人数で住んでいます。
改修前の家では南に設けられた居間は来客応接用にあてられ、家主は北側の厨房、食堂を中心に生活をしていました。そのため常時日当たりの良い南側を使用出来ず、また大人数で集まりにくい間取りが問題点でした。
その問題点を取り除くため居間と厨房を隔てていた収納を取り払い、南北が繋がり、北側まで光が届くようになり、季節の風も抜けるようになりました。
食堂と居間は一体利用で、広々とした健康的な空間で日常を過ごすことが出来ます。来客時には間仕切りを利用し、分けることも可能で、臨機応変に人数や目的に相応しい空間を作り出すことが可能です。
下記その他ポイントです。
① 昔から受け継がれてきた仏壇はそのままの位置で掃除をして残しました。また、神棚は広く開けた場所に移動しました。
② 天井の取り壊しの際に出て来た梁は食堂の上部に現しにしています。
③ 出窓に設けたベンチは収納を兼ねており、お客様用の座布団を入れたり出来ます。
④ 将来の対策として浴室と脱衣室を広くしました。