赤城南麓の家
- 竣工時期
- 1999年4月
- 用途
- 住宅
- 構造規模
- 木造 平屋 106.00㎡
- 所在地
- 群馬県富士見村
静かな雑木林に囲まれ、渓流が流れる畔に建つ住宅
建築主自身が建てるための図面が欲しいとのことから設計がスタートしました。打合せを重ねる中で全部自分で作ることは困難との結論に達し、主に外装内装の板張り、断熱材取付、塗装等を施工することになりました。このため素人が作れるように設計は極力単純化されました。
自然の中で子供たちと遊ぶことが生きがいの建築主は赤城南麓の雑木林を購入し、土木機械を自ら操作して切り開き、建築の準備を進めました。時間はかかりましたが充実した日々が続きました。
いよいよ着工、そして上棟し、外壁の工事が始まりましたが進むにつれみるみるペースが上がって行きました。
県産材の杉やカラマツの素材の醸し出す豊かな表情は商品住宅には決して作り出すことのできないものです。
また建築主は環境問題には特に関心があり、断熱材は炭化コルクを使うなど化学物質に対しても注意深く吟味されました。
建物は4間×8間の長方形のシンプルな形で
その中央部には末口400φの杉丸太がこの家のシンボルとして立っています。
中央はストーブのある吹き抜けの居間を中心に寝室を始め諸室が配されて、
自然派の住宅らしくのびのびとした構成となっています。
山の春は遅い。まだストーブには薪がくべられている。
ストーブ独特の輻射熱による暖房はエアコンなどの対流式には無い柔らかさと快適さを持っている。
そしてつつじが山麓に咲き始めるころ始めての初夏を迎える。