研究日誌
筑波へ建築見学へ行ってきました。
9月下旬、事務所スタッフと共に茨城県へ建築見学へ行ってきました。
まずは以前より気になっていた里山住宅博を見学しました。
ホームページ等の事前情報からのイメージ(個人差があると思いますが)とちょっと違う印象の新興住宅地といった雰囲気に到着早々少し戸惑いましたが、見学させていただいた住宅は向いているベクトルは違えどその内でそれぞれよくできている印象でした。
こうした仕事をしていると、実はなかなか数個の住宅を一度に見比べる機会はありませんので、こうも一つ一つ考え方が違うものかと勉強になりました。
こういった展示場には珍しく拝見した工務店の中にものづくりが心底好きなんだということが伝わる住宅がありました。里山住宅博の名前から素直に連想される住宅でした。展示場でこのように感じる住宅に出会えるとは全く思っていませんでしたので嬉しい誤算です。
先にベクトルは違えどと書きましたが、もう少し統一感のあるベクトルの向きの合った分譲かと思っていましたので、その当りが惜しいというか日本社会と町並みの縮図を見ているようでなんとも複雑な印象が残りました。
近くの古民家を改装したレストラン、藤右衛門でパンをいただき、筑波学園都市へと向かいます。
ここでは磯崎新のつくばセンタービルを見学しました。1983年竣工のポストモダンの建物はちょうどこの年代に生まれた私はなんともホッとするような印象を受けました。
誰にでもこのような原風景的な感覚はあるかと思います。
続いて少し離れた松見公園にある展望塔とレストハウスに行ってきました。菊竹清訓の設計です。
池に水平に突き出たレストハウスと池から垂直に突き出た展望塔。明快なコンセプトと機能と形状の融合。近所の公園の管理等のようにふらっと気軽に寄れる建物ですが、中身は全く違いました。
建築らしい建築を見た気がします。
最後はJAXAを見学。建築ではありませんが、ガイドの方から国産ロケット開発のお話を聞いたり、昔から気になっていた人工衛星などに貼られているアルミホイルみたいなもの(写真左端)の正体を質問し、
長年の疑問がすっきりしました。アルミホイルよりは当然丈夫な素材だけど、空気のない宇宙での人工衛星への設置方法はこんな程度で良いのかと、すごい技術に関心しつつ肩透かしを喰らったような感覚です。
見聞を広げるといった意味でも違う分野の話を聞くのは本当に楽しいです。異分野での自分の常識はほぼ思い込みや勘違いで有ることを思い知らされます。
一日限りの忙しい旅程でしたが、スタッフ共々それぞれ得るものはあったようです。
今後の設計に活かしていきたいと思います。
横堀将之