研究日誌
2017.10.10
受賞・メディア
「山河の家」が「2017ぐんまの家」設計・建設コンクール 最優秀賞を受賞しました。
「山河の家」が「2017ぐんまの家」設計・建設コンクール 最優秀賞を受賞しました。
最優秀賞「山河の家」
審査委員講評
前橋の利根川河岸段丘上に位置し、落ち着いた雰囲気の住宅地に建つ平屋建ての住宅。ゆったりと水平に伸びる瓦屋根と白い外壁の凛とした外観が街並みに溶け込んでいる。
周囲の街路からは利根川を見ることはできないが、建物中央の玄関土間に足を踏み入れると、低く抑えられた横長の窓から利根川が目に飛び込み、思わず息を呑むことになる。
リビングは屋根勾配がそのまま天井の形となり、白い壁・天井と柱梁の木部の対比が美しい。北東側の二つの面には大きな障子が組み込まれ、室内に柔らかな光を取り入れている。この障子を開放すると、圧巻と言うべき景観が現れる。美しい稜線の赤城山と力強い流れの利根川が窓いっぱいに広がる。さらに木製サッシを開ければ川の流れる音と心地よい風を感じ、まさに自然の中にいることを体感する。
川に沿って「く」の字に曲がった平面はシンプルにまとまり、無駄がなく機能的で研ぎ澄まされた構成と言って良い。川沿いの崖地での計画には構造的にも細心の注意を払うなど、設計と施工の心を込めた取り組みが感じられる。
自然と一体となり、ゆったりと流れる時を過ごせそうなこの家は、建主が土地探しから20年近い歳月を掛け、並々ならぬ思いを実現させたもの。ぐんまの景観を存分に活かした素晴らしい作品である。
群馬県ホームページより転載
米田横堀建築研究所 WEB作品集より