研究日誌
米田設計が番組制作協力した「大改造!!劇的ビフォーアフター」が放送されました。
米田設計が番組制作協力した「大改造!!劇的ビフォーアフター」が放送されました。
番組ホームページ http://asahi.co.jp/beforeafter/
2014年8月10日放送 白鳥が見えない家 ダイジェスト版 http://asahi.co.jp/beforeafter/list/d00138pvin.php
この番組は新築工事の陰に隠れていたリフォームという分野に光を当てました。
解体が取り沙汰されるたびに話題となる著名建築とは異なり、まだ使用期限が残る多くの無名の建築が有り、これらを使い続ける方策を考えることも現代では重要な事です。
建築士の施工に関しての立ち位置などはこの番組の性格上普段の行動とは多少違うこともあるかもしれません。
しかし建築士がリフォームに関与することによって単なる修繕の域を脱し、より豊かな生活が出来る可能性があることを示唆している点からもこの番組の意義は大きいといえます。
それと同時に今回の収録で感じたことは新築時にきちんと性能を確保し、将来のリフォームを配慮した設計の重要性です。さいわいこのリフォームにあたっては重大な障害は発見されませんでしたが補強は全般に渡りました。
より良いリフォームを可能にする新築時の設計を改めて慎重に進めたいと思います。
建築は場所性を抜きに考えられません。現場は新潟県阿賀野市、白鳥の飛来地として名高い「瓢湖」湖畔にあります。吹雪の中、初めて訪ねたとき瓢湖はまさに白鳥や鴨などで水面が覆われていました。
また春には湖畔をさくら色に染める桜の並木、また夏にはオニハスの群生と豊かな自然に触れることが出来ました。新潟の四季を通じて表情豊かな自然に包まれた新しい生活の出発に関われたことは貴重な楽しい経験となりました。
TV制作の現地スタッフは極めて熱心に粘り強く働いていたことが印象的です。撮影には素人の私はじめ工事関係者の士気を高めるため大変気を使っていただき、その熱心さに応えてできるだけ協力させていただきました。
この機会を与えていただいたTV局、製作会社の皆様に改めて感謝申し上げます。
番組は建築主の祖母が瓢湖を眺めることをはじめ、家の中を楽に移動できるための改善工事を軸に雪国独特の湿度が高く寒く長い冬をいかに快適に過ごすかというテーマに沿って出来上がっています。
施工者である「株式会社 太洋」をはじめ各職方はは消費税増率に伴う駆け込み需要で材工とも逼迫するなか、かつビデオカメラが回りっぱなしという環境下でも本当によく頑張ってくれました。
放送では工事の詳細は省かれていましたが、リフォーム工事として見えない部分も工期の多くを割いて処置しました。
この住宅は数回の増築が行われていますが古い部分は真壁工法で土塗壁であるところから断熱補強に関して外張り断熱としました。
耐震性は壁が少なく、かつこの地方独特の建築形式として階高が高いため柱の細長比の改善を兼ね、水平剛性のための床をロフトの床として作りました。
新たに棟を受ける柱を新設し、、積雪時の変形の改善を行いました。
さいわいシロアリの食害は一部に留まっていましたが防蟻対策として基礎、床廻りはホウ酸処理をGreen Life Design株式会社の協力で施し、今後に備えました。
また地元の安田瓦協同組合および関連企業の全面的な協力をいただけたことは大変ありがたいことでした。地産地消を地で行くような内容に大きく貢献しています。